みずにわとうつわ

水庭と空和

2019-09-13/2019-10-19

GALLERY SATSU , Tokyo , Japan

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Description
【ナイトイベント】「夜の水庭に、謡い、舞い、」
2019年10月5日(土)16時開場/19時終了予定 出演:安田登(能楽師)他 会場:アートビオトープ那須 ご参加費:10,000円(税込) ※当日は那須塩原駅からの無料シャトルバス(要予約)を運行いたします
お申込み:山のシューレウェブサイト http://www.schuleimberg.com
お問い合わせ:アートビオトープ那須 TEL 0287-78-7833
展覧会フライヤーhttp://www.satsu.jp/wp-content/uploads/2019/07/flyer_satsu_1910-05.pdf

「水庭と空和」
私はこの森のような水庭を初めて体感したとき、どこか違和を感じながら、 でもなぜか心身が喜んでいるという不思議な感覚に陥った。そして、庭を後に して、部屋に戻って何気なく庭での余韻を感じながら考えていた。建築家は、 自らのビジョンによって、計算した空間を作る。その作為という意思と意図の 中に、自然の刻々と変化していく人間が予測できない時間と空間が取り込 まれているのがこの水庭だ。だから、通常自然の森に入り込んだときに一瞬 襲われる畏怖畏敬の緊張感とは違う、安心感を与えてくれているのであろう。 私は、これまで「土を媒介に火の中から水を表現する」というコンセプト で作品を制作してきた。であるならば、水庭に火が介入することは自らのこれ までの火水のキーワードともつながる。そして、近年思考している作為と無作 為をテーマにしたウツワの造形であれば、この空間の思想や美意識とも響き あえる可能性がある。 虚と現実、モノが交じり合い、移ろい行く空間を内包しているというのが、 私のウツワの概念である。だから、ウツワを空なる和「空和」と考えている。 人間が経験や技術や思考によって生み出す創作という作為と、人智を超え た自然や偶然、無心の美という無作為。この、相反する創造行為は、「空和」 ウツワの中では、有効となりえる。 作為の中にある無作為、無作為という作為は、今回この水庭と空和の関係 によってアートに昇華することを期待したい。
10月5日(土)にアートビオトープ那須「水庭」で予定されているナイトイベント「夜の水庭に、謡い、舞い、」。その開催に合わせ、ギャラリー册ではイベント関連展「水庭と空和」展を開催いたします。今回のイベントで発表される近藤高弘氏の作品は、イサム・ノグチの愛した「伊達冠石」で知られる、宮城県南部に位置する大蔵山から産出される「大蔵寂土」を使用した、世界で初めての陶芸作品です。 「水庭と空和」展では、この類稀な土を用いた茶碗などの新作と、大蔵山と「大蔵寂土」に関する展示、そして写真家キクマヤスナリさんによる超高性能カメラで月光だけで撮影した水庭の写真を展示いたします。